台風一過ドライブ(厚木→宮ヶ瀬→相模湖→上野原→奥多摩→八王子) 第1回

2019年10月12日土曜日、台風19号伊豆半島から日本に上陸した。

21河川24(10/15最新発表:47河川66箇所)もの堤防が決壊し、各地で河川が氾濫・各地で浸水被害が起こるなど東海・関東・東北をはじめとした広範囲で被害をもたらした台風。地元である神奈川県でも、箱根町で24時間降水量の日本記録を更新した他、中央道や主要国道・県道で土砂崩れや崩落が無数に発生。城山ダムの緊急放流や武蔵小杉の浸水がトレンド入りし、比較的近場の多摩川境川等でも氾濫が発生した。

 

自宅は幸いにして停電しなかったが、窓ガラスを守るため内側に組んだ木枠が強風で外側から押し出されたり、近場のマンションや信号が一瞬止まったりした。

 

翌日、父と二人で被害の大きい厚木、相模原、八王子、武蔵小杉を周り、横浜にある祖父母宅へ向かうドライブを決行。以下は、その時の様子です。

 

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12日、氾濫危険水位を超えた境橋付近の様子

台風一過の雲一つない青空。しかし、川の水は茶色く濁っていた。

水位はギリギリセーフだったが、護岸が崩れている。

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厚木市内の小鮎川もこの有様。

 

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相模川との合流地点まで0.7km

かなり下流の方であるにも拘わらず、護岸内部の土が削り取られて崩れていた。

 

先が長いので、相模川沿いに相模原北部・八王子まで足早に向かう予定だったのだが、

 

自分「(小鮎川沿いに)寄り道したから相模川右岸に復帰しよう」

父 「宮ヶ瀬に行こうよ」

自分「・・・(まっ、宮ヶ瀬も良いか…)」

 

鶴の一声で宮ヶ瀬方面へ向かう事に。この時、相模原北部の道路網がおかれていた絶望的な状況は知らなかった。現地に行って初めて知る事に

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宮ヶ瀬へ向かうには県道60号→64号が早いが、通りたい市道があったので国道412号を北上、4車線区間が終わった直後に左折。

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市道は途中から新設道路になっており、突き当たりでは県道60号に繋がっている。

 

右折してしばらく進むと、路面に土が取り残されている。

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清川村内の県道64号

 

県道を外れて集落へ向かう道へ入ると、路面状況が一段と険しくなってきた。

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前日降り注いだ雨水が、路面全体に溢れている箇所も。

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集落では、住民が総出で土砂の除去に当たっていた。

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奥には重機も見える。完全に通る必要のない自分の車にとっては、少し気まずい。

 

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台風で自然に出来た洗い越しも現れ、いよいよこれまでか…

 

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更に進むと、使われているのかどうか良く分からない建物が。

 

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道自体は半原へ繋がっているものの、この先で封鎖されていた。

半原へは抜けられそうもないため、大人しく引き返す。

 

第2回へ

第三京浜の下を走る、市道なのに妙に立派な4車線道路(第3回-1)

2019/08/10 実写、10/03 公開

 

※第3回-2執筆の際、第3回-1(当記事)を削除せず、当記事の後に付け足して執筆します。また、第3回-2執筆のお知らせは、別の記事にて行います。

 

JR南武線をアンダーパスで潜り、京浜川崎ICへ到達する。

関東の道路ファンであれば、一度は耳にした事はあるかも知れない。例の、超複雑な交差点だ。

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写真中央の青看が指し示す交差点が、京浜川崎ICのある交差点だ

よく見ると、手前に見える青看の奥にも青看が設置されているのがお分かりだろう。

 

しかも、2枚

 

補足:青看とは?

道路上で見掛ける、青い看板の形をした道路標識を指す(青看板の略)

方面と方向の予告→交差点の案内」、「方面、方向と道路の通称名→交差点の案内(通り名付きVer.)」、「方面と距離→目的地まで○○kmと書かれた標識」等が該当する。

 

 

まずは、100m手前の交差点予告標識から。

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右も左も有料道路

通常は200~300m手前に設置される事が多い予告標識。

僅か100m手前に設置されるケースは貴重ではないだろうか?

 

そして、交差点直前の2枚。これで、一連の交差点に設置された青看は現時点で3枚だ。

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第三京浜入口』交差点

いや、3枚ではない。

 

何でって、奥の方に明らかに青看の群が…

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対向車線より撮影

しかも、反対側も。

 

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これは、青看の異常増殖か?!

しかも、矢印の形も変だ…

 

第3回-2へ続く>

 

 

日本に存在する国道は全部で何本?"端っこ"ナンバーの国道についても解説!

国土が南北に細長い日本。日本列島は約3000kmの長さを擁し、国土は約38万㎢。8つの地方、47都道府県、1741の市町村が存在し、道路の総延長は約120万km。内5万2000kmが国道である。

 

それでは、日本に国道は何本あるのだろうか。

 

 

 

日本には1号から507号までの国道がある。

また、二桁国道が58号までしか存在しない事はご存じの方も多いだろう。

 

即ち、59~100番は欠番と考えられる為、507-(100-59+1)=465本

 

つまり、日本の国道は465本!と考える方もおられるかも知れないが、実は違う。

 

 

3桁国道は101号から507号までほぼ欠番無しで存在している。

しかし、何故か6本(109号~111号、214号~216号)のみ欠番となっているのだ。

 

従って、日本に存在する国道は全部で459本である。

 

 

以下、ざっくりと"端"となる番号の国道について説明しよう。

【日本の国道のトップナンバー・国道1号

東京の日本橋と大阪の梅田を結ぶ、誰しもが一度は耳にしているであろう幹線国道である。なお、総延長は一番ではない。陸上区間に限定した総延長1位は、国道4号の計774kmである。

 

【二桁国道のラストナンバー・国道58号

沖縄本島奄美大島など、鹿児島県~沖縄県の主要な島には大抵走っている国道。沖縄県の日本返還と共に指定された、二桁国道では唯一の国道。大半が島と島を結ぶ海上区間だが、そんな海上区間を含めた総延長は、実は国内トップである。

主に離島を走る国道であるから、その起点が九州本土の鹿児島市に存在する事は余り知られていないのではないだろうか。

 

【三桁国道のトップナンバー・国道101号

青森県青森市秋田県秋田市を結ぶ国道。青森市能代市(秋田県)間の国道7号は内陸を走っているが、国道101号は津軽半島の付け根を横切っていち早く日本海沿いへと出る。

北海道を除き、3桁国道の最初は北から順に番号が振られているため、101号は北東北に存在することになる。他にも、東北地方には100番台前半の国道が多い。

 

【三桁国道のラストナンバー・国道507号
沖縄県糸満市那覇市を結ぶ国道。北から順に番号が振られるルールは、日本を南北に何巡かしたり、いくつかの例外があるものの、概ね日本の国道全体に言える話である。当然、ラストナンバーである国道507号は、日本の最も南に位置する沖縄県に存在することになるのだ。

 

更に、3桁国道の欠番の前後となる国道108号・国道112号は東北地方に、また国道213号・国道217号は九州地方に存在する。

 

また、完全に余談だが、国道459号新潟県新潟市福島県双葉郡浪江町を結ぶ国道である。

 

また、今後二桁国道が増える事は無いと考えられる。

高速道路ナンバリング(高速道路にも、国道や都道府県道と同じく路線番号が付きました)が振り当てられた際、E1~E58は既存の国道1号~58号に対応した一方で、E59以降は欠番とせずに全く関係の無い路線に振り当てられた事、

またそもそも2桁国道に昇格させる程の重要幹線が新たに発生する可能性が皆無であるなどが理由として挙げられる。 

 

 

因みに、作者が居住している神奈川県には、日本の国土の約0.6%の広さに

(1,15,16,20,129,132,133,134,135,138,246,255,271,357,409,412,413,466,467,468)号の計20本の国道が存在する。

 

それを単純に47倍すると940本。日本に存在する国道の本数・459本の2倍以上である。当然だが、複数の都道府県に跨る国道が如何に多いか、そして人口が多い地区に国道が集中しているかが分かるだろう。

 

【編集後記】

今後、当ブログで扱う「道路の基本知識」フォルダ内の事項は、今後に亘って何度もブログ内で登場する重要事項ばかりです。道路好きの方々は勿論、そうでない方も覚えておいて損は無いと思います。是非頭に入れましょう!(笑)

 

第三京浜の下を走る、市道なのに妙に立派な4車線道路(第2回)

2019/08/10 実写、09/13~23 公開

 

※(第1回)の続きですので、以前の記事を読まれていない方は先にそちらをご一読ください。

※当記事の公開後、概ね24時間後に<第2回-1>を削除致しますのでご了承ください。(第2回-1の内容は当記事に引き継がれています)

 

 

周辺道路の生活道路感とは裏腹に、突如高架下に始まった高規格道路。

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ダンジョン感ありまくり

道の両側は第三京浜の橋脚!側道も付いており、周辺の住宅街からは隔離されているように見える。

 

高速走行するのにお誂え向きな道路であるかの様に思えるが、制限速度は初見さんビックリの40km/h制限。何じゃこりゃ。

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目前の光景には似つかわしくない低い制限速度

 

また、信号は連発する上、赤信号で止まらさせる割合が非常に高い。

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続々と現れる信号群

また、交差する道は少ないが、交差点は立派に造られている訳ではなく、交差道路も少し素っ気なく交差している。勿論右折レーンも無い為、右折が出来ない交差点も多い。

 

標識や信号の設置も、よく見ると普通の市道で見られるように電柱を使っていたり…

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しかも、車線幅や路肩に余裕がない

余裕の無さが道路全体からヒシヒシと伝わってくる。

この道路、多車線の割には、周辺道路にイマイチ格の違いを見せつけられていないように感じる。

逆に言うと、周辺道路との隔絶感を見た目ほど感じないのだ。

 

この道の持つ、地域に根ざした生活道路という一面が窺い知れる。

 

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狭い!マイペースで走れない!そして思ったより走り辛い(´・ω・`)

 

走り辛いが、しばらく進むと見えて来た!

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この道を最も高規格道路たらしめるアイテムが!

 

そう、JR南武線を潜るアンダーパスである。

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車線幅も手前から拡がり、勾配も常識的、そして現代的な範囲に収まっている。勿論、歩道も併設されている。

前後の道も良いのだが、こんな立派な地下道を見ると、完全に一級国道にしか見えなくなってしまう。

 

だが、この道は国道どころか県道ですらない。

 

市道クオリティを感じる事となる。

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例えば、地下道に入る直前で、小刻みに左右に振れている。このカーブが実は結構クイックなのだ。昭和時代に造られたのも関係しているだろうが、やはり市道のアンダーパスは国道県道のそれと比べて規格が落ちる印象がある。

 

そして、制限速度も40km/hのまま。確かに40km/hで走るならこの小刻みなカーブも無問題かも知れない。本当に40km/hで走れるならね。

 

更に、潜った先の駐車禁止の標識が少し傾いたままになっている。

最近、神奈川県ではメンテナンス性の問題で写真の様なオーバーハング式標識が撤去される傾向にありますね…

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そんな少々訳有りアンダーパスであるが、実用上は特に問題なく京浜川崎ICへ到達する。

 

ところが、このICが、またとんでもない代物だったのだ…

 

続く

第三京浜の下を走る、市道なのに妙に立派な4車線道路(第1回)

2019/08/10 実写、09/03 公開

 

第三京浜は、南関東民なら知らない人は少ないであろう、横浜市保土ヶ谷区横浜新道と東京都世田谷区の環状8号を結ぶ、(ほぼ)片側3車線・80km/h規制の有料道路である。一般有料道路ではあるが、高速道路並みの規格と快適さで、直線的に両道路を結ぶことから利便性が高い道路だ。制限速度低め & 料金は値上げされたけど

 

そんな第三京浜の一部区間で、橋脚の間を市道なのに妙に立派な4車線道路が並走している事をご存じだろうか。

 

今回紹介する区間を下図に示した。

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第三京浜の高架下スペースを利用して造られた道路

 

周辺道路はその殆どが貧弱な2車線道路対面2車線=片側1車線道路のことで、中には150万都市に見合わない、周辺の市道と大差無い規格の貧弱な2車線の国道さえ走っている。

しかし、そんな中にあってこの市道は立派である。

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上下線分離、側道付きの直線的な片側2車線道路で、周辺道路との交差も少なく、南武線との交差地点には豪華なアンダーパスさえ造られている。同じく高架下の産業道路(神奈川県道6号)には今年3月まで踏切があったと言うのに…

 

しかし…、である。

確かに立派な道路なのだが、結んでいる地点が微妙なのだ。

横浜までずっと第三京浜に沿う訳でも無ければ、多摩川を越すわけでもない。距離も2km台と短い。

 

第三京浜の下にスペースが余ったため道路を作ってみたら、予想以上に豪華な道路が出来てしまった、少なくともこの道の計画段階ではそんな流れがあった気がする。その為か、この道は幹線国道並みの立派な4車線道路にも拘わらず市道と云う立場に甘んじている。今の時代は高速道路沿いにこんな中途半端な4車線道路は造らない気がする(苦笑)

 

当レポートでは、そんな不思議な立ち位置の市道を実走した。

 

いざ実走

<2019/08/10 15:40>

現在地は、今回紹介区間の南端、千年第三下交差点の西側である。

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正面に見えるは第三京浜

画像奥、第三京浜下の信号交差点を左折すると今回紹介区間に突入する。

 

因みに、これから向かう道は、ただ単に『第三京浜(方面)』とだけ案内されている。

 

が、交差点を左折する前に、何やら気になる標識が。

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超常的な道路標識

指定方向外進行禁止の異形バージョン(通称:異形矢印)が登場!

これは異形矢印標識の中でもかなり特異なタイプ。かなり貴重な部類だ。

異形矢印標識については、いずれ機会を設けて記事化したいと思う

 

何が何やら分からないと思うが、今回紹介区間に入るには、標識に描かれた一番下の矢印の方向へ進む必要がある。初見殺しの交差点だ。異形矢印標識の記事で、この交差点の構造まで触れたいと思う

すると…

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特な道路風景を持った4車線道路が、幕を開ける…

 

続く

国道17号 八木沢トンネル 途轍もない数の道路標識が集中している道路

本日紹介するのは、新潟県湯沢町内の国道17号、八木沢トンネル手前の短い区間だ。

 

上越国境から新潟側へ下ると、『道の駅みつまた』を過ぎた所で、一つのトンネルが現れる。このトンネルの手前が、今回の目当ての区間である。

 

特段、道路が変わっているという訳では無い。幹線道路然とした2車線道路である。

何が変わっているかと言うと、この場所は標識の並び具合が半端じゃないのだ。

 

除雪用スペースが確保された広々とした2車線道路がトンネル内で急に狭まり、更にトンネルの先には急カーブが待ち受けている。

 

どうやら、その関係で注意喚起の為の標識が大量に設置されている様だ。

 

それでは、その様子をご覧頂こう。

 

 

写真は、八木沢トンネルから道の駅側、つまり群馬側を向いて撮影している。

そこには、緩やかなカーブを描きつつ、峠へ向かって上る2車線道路の姿があった。至って平穏。後ろがトンデモナイ事になっている事を除いては…

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ここで、後ろを振り返ってみよう。

 

振り返り、トンネルの方を向くと、何やら色々と見えて来た。

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更に拡大してみたのが下の図。

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こ、この標識の数はヤバいぞ…

 

明らかに、只の山道に向けて設置される標識の数ではない。そして、情報量が極めて多い!

この先のトンネルが、只物でない事の表れなのだろう。それにしてもこの数には圧倒される。2桁枚は余裕であるに違いない(汗)

 

何と言っても、この先のトンネルは手前側の広さとは比べ物にならない程狭いのに加え、トンネル出口には急カーブも存在する極悪線形。前後の道が良い為に、ギャップが激しいのである。

 

それを示すかの如く並ぶ幾多の標識群のトップバッターは、1枚の看板だった。 

 

『路肩部凸凹注意』

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これだけでは別に驚きはしないだろう。

次に現れるのは…

 

国道17号キロポスト

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間もなく起点から200kmという地点である。標識群に入れるかどうかはアナタ次第。

ここまで、危なげ無く2枚をクリアしてきた訳だが、

 

さて、今度は少しばかり情報量が多いぞ…

1つの支柱に4枚の標識が括り付けられている。

 

1枚ずつ紹介しよう。 

 

トンネル出口急カーブあり

300m先中央分離帯あり

幅員減少

この先100m間走行注意

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③④は、フォントにその古さが滲み出ている。このトンネルの安全対策が、以前から本気で取り組まれて来た事が窺える良さがある。

⑤も背景が色褪せており、古い時代の設置か?

⑥だけ異様に新しい。100mとはトンネルの坑口までの距離だろうか…少なくとも、トンネルに対する注意喚起では無いようである。意外だ。

 

更に、

トラックがマトモにすれ違い出来ないトンネルである旨の案内

 

こちらも➀と同様、トンネル内の幅が狭い事に対する注意喚起。

幹線国道でしか見られないだろうから貴重な文言である。

 

一つのトンネルがここまで引き立てて見えるのが素晴らしい!

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更にトンネルに近付くと、これまた多くの標識が。もう、トンネルの直前と言っても良いような地点まで来ている。

だが、それにも拘わらずここから坑口までの間に10枚以上の標識が密集しているのは冷静に考えると凄い事なのだ。

 

次の支柱には、何と5枚もの標識が!ある意味、本記事のメインディッシュとも言えるだろう。5枚もあるのに各々がそれなりの情報量を持っており、一瞬で完全に理解するのはかなりハードである(笑)

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まずは、少し離れた1枚の標識から。 

 

歩行者・自転車向け迂回案内

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 地図形式の案内板!

これは、シビれる…

 

連続雨量規制

高さ規制

最大幅規制

トンネル内走行注意

この先50m間走行注意

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⑨の連続雨量規制は、既に他の標識が目白押しなのだからわざわざこの地点に標識を設置しなくても…と思わなくもない。

⑩⑪のお団子は、前後にある別のトンネルにも見かける。この道では一般的な規制だろう。

⑫の標識では、路肩部のトンネル高が低い事が図で表現されている。横須賀のR16には、右車線だけ高さ規制のあるトンネルが存在するが、それに関連した注意喚起だろうと推測できる。

⑬の標識は文字が小さく、立て続けに2枚設置されている割には存在感が薄いので、この情報過多な場面でこの標識を見るドライバーがどれだけ居るのかは正直疑問である。

 

間もなく坑口という場面になっても尚、標識群は途切れない。

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 ⑭ 40km/h規制

補助標識『ここから』

駐車禁止

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この地点で、制限速度が50km/hから40km/hに切り替わる。

この道路は60km/h規制の区間も多めなので、40km/h規制と言うとそれなりに厳しい規制となる。この様な場面では本当に40km/hで走行しないと危険な場所も数多く存在するので、注意して走行したい所。

 

40km/h規制の左側には別の標識が設置された跡が。以前は、標識数が更に多かったのだろうか。

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トンネルの坑口左側に設置されている看板はこの2枚。

ラジオ案内

異常発生時連絡先

至って普通の看板達である。多くは語るまい。

 

そして、ラストを飾るのは…

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指定方向外進行禁止(直進)

車両進入禁止

中央線を示す?矢印

 

トンネル幅が狭い為、中央線より左側を走る事を徹底させたいのだろうか。上下線の通行レーンが標識にて明示されている。

上下線を分かつのが中央線1本のみなのに、『指定方向外進行禁止』と『車両進入禁止』が用いられているのはかなり珍しいような、そんな気がする。



この記事をご覧になられた皆様、そしてこの道を通行したドライバー諸氏、お疲れ様でした。

 

以上、計21枚!

一つのトンネルの手前に立つ道路標識の数としては、間違いなくトップクラスだろう。

それぞれが違う内容であり、それぞれがこのトンネルを引き立たせていた。

それにしても、この多さは何とかならないものだろうか…(苦笑)


完結






【レア道路標識】仙台東部道路の『最低速度50』標識(後編)

2019/08/11 実写、08/28 公開


※当記事は『

【レア道路標識】仙台東部道路の『最低速度50』標識(前編) - 神奈川発『みち』のブログ

』の続きとなります。以前の記事を読まれていない方は先にそちらをご一読ください。

 

アルミ板常設式の『最低速度50』標識が珍しいのは、そもそも『最低速度50』標識が珍しいという理由が大きいのだが、実は他にも理由がある。

 

電光式標識の存在


現状で、最低速度標識が設置されるのは、やはり高速道路のみに限られている。

教本などでは、自動車専用道路は高速道路の一種とされている

 

また、高速道路の速度規制標識と言えば可変式の電光式標識が主流であり、アルミ板標識は使われる頻度が少ない。

 

このような事情があり、電光式の『最低速度50』標識が多く、常設式の速度標識は、最低速度標識も含めても少ないのである。

 

省略率の高さ

 また、最低速度である50km/h規制は、高速道路を利用している限り、普段意識する事は殆どない。つまり、標識の必要性が少ない状態となっている。本来は車線別に適切な最低速度を設けて日本中の高速道路に設置するべきなんだろうけど…

 その為、最高速度標識(大型車80、普通車100)の組み合わせがある場所でも最低速度の標識は入っていない場合が多い。

 

但し、IC(インターチェンジ)やJCT(ジャンクション)の近くでは当該高速道路の初めて入線したドライバーに対して規制を周知させるため、比較的高確率で設置されているので狙い目。

実際に設置場所へ赴いてみた

 

北東北遠征の初日、仙台周辺にいた私は、実際にアルミ板常設式の『最低速度50』標識を写真に収めるべく、仙台東部道路の高側道にいた。

 

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この為に、事前にス●リー●ビューで標識周辺に木々の無い場所を探し、撮影可能かどうかのアタリを付けて来たのだ。ここで撮らない訳にはいかない。

 

もう、私の獲物は目と鼻の先にいた。

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見えてきた…!!

写真右上をご覧頂きたい。

電光式の最高速度標識が2つ縦に並んでいるが、その左横にひっそりと取り付けられているのが今回お目当ての『最低速度』標識である。

 

しかも、側道から撮れと言わんばかりに、良い感じで下を向いているではないか!

 

拡大!!

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これで、最低速度標識をじっくりアップで撮影するという目的は果たされた。

 

折角なので、更に拡大。

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側道からの撮影なので、これ以上正面から撮影することは不可能だった。しかし、これだけ撮れれば及第点でしょう。

 

長旅の途中で時間の無かった私は、お目当ての標識の撮影もほどほどにして、仙台市内の次の道路ネタへ向かった。

【完】

 

 

【レア道路標識】仙台東部道路の『最低速度50』標識(前編)

仙台東部道路は、宮城県亘理町の亘理ICから、同仙台市宮城野区仙台港北ICに至る全長24.8kmの一般国道自動車専用道路である。

 

常磐道三陸と接続しており、普通の高速道路と変わらない片側2車線の高規格で整備されている。

 

ところが、仙台東部道路には、実質1本の道として接続している常磐道には無い特徴がある。

 

最高速度100km/h、速度50km/h規制の常設式標識のセットが立っている事。

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アルミ板常設標識は、写真の通り普通の道路に設置されているタイプの標識である

常設式標識

 

しかし、この『最低速度50』の『常設式標識』が、全国でもかなり貴重なレア道路標識なのだ!

 

国内の標識クラスタにとっては、きっと、遠くからでもわざわざ撮りに行きたい衝動に駆られる標識だろう(笑)

 

それでは、何故、この標識がレアなのだろうか。

 

高速自動車国道と自動車専用道路の主な違いの一つとして、以下の速度規制の違いが挙げられる。

 

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一般国道自動車専用道路を100km/h規制にするには、別途標識が必要

以上の表は、道路上に速度規制標識が一切無い場合の規制である。つまり、高速自動車国道は標識が無くても最高100km/h規制、最低速度規制が適用されるのだ。

 

しかし、一般国道自動車専用道路(以下、自動車専用道路とする)の中にも高速自動車国道並みに立派な道路も存在し、そういう道路では規制速度が一般の高速道路と同じ100km/h規制に指定されることもしばしばある。

 

だが、幾ら高速道路の様な見た目でも、標識が無ければ自動的に60km/h規制になってしまう(!!) これは、日本の高速道路の非常に勿体無い部分だと個人的に思う。

 

その為、自動車専用道路を100km/h規制に指定したい時は、100km/h規制を表す速度規制標識を別途設置する必要があるのだ。

 

この時に、必ず最低速度50の標識がセットで付いてくる。

 

つまり、最低速度標識が使われる場面はと言うと、表下段の『一般国道自動車専用道路』に高速自動車国道と同じ規制を適用したい時に限られるのだ

 

普通の高速道路や、単なる自動車専用道路には設置されない代物なので、必然的にレアな存在になってしまう。

 

これだけでもレア要素は十分だが、アルミ板の常設『最低速度50』標識が更に珍しくなる理由には、また別の側面もある。

 

続く

~大間崎~ 本州最北端の国道端点 (国道279号&338号)

2019/08/13 実写、08/23 公開

<場所>

青森県大間町は、下北半島の先端、本州で最も北に位置する市町村である。

町内には、本州最北端の地である大間崎の他、国道の本州最北端となる地点も存在する。

 

国道の記念すべき地点にしては余りにも素っ気なく、地味で人も少ない。今回は、敢えてそんな国道の端点をご覧頂こう。

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地図内で、上が本州最北端となる大間崎。国道の本州最北端はその西側に位置する

 

本州の国道最北端へ至る前、最終の信号交差点を東側(国道279号側)から撮影。

ここで二手からやって来た2本の国道が合流し、本州での最期へ向けて共に歩みだす。

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ここから国道279号/338号の重複区間

少し走るとT字路に突き当たり、右折。

除雪スペースを備えた幅広な2車線道路は、集落内の1.5車線道路へと規格ダウンする。

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振り返って撮影

そこには、いかにも『最後』という雰囲気があった。

 

そして、最後のT字路を左折する。

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最後のT字路を曲がる

 

そこに待ち受けていたのは…

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閑散とした最終ストレート

最後の力を振り絞ったかのように2車線幅に広がった国道。

だが、走る車は疎ら。

途中からコンクリ舗装に変わっている。

更に、その先は、壁…

どうやら、ごまかしの効かない正統派の行き止まりの様だ。

 

そして…

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ここが、本州の国道の果ての地。

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舗装の途切れ目が終点だと思われる

 

国道のものと思われる道路用地・路盤・白線が、側溝によってスパッと途切れていた。

その先は、道でない。

 

ここで共に終わりを迎えた国道279号そして国道338号海上区間と化し、海の反対側(北海道)まで行ってようやく陸上の国道として復活を遂げる。

 

多くの人で賑わう大間崎がすぐ近くにあるにも拘わらず、この場所はひっそりとしている。ここに来る車は、その9割方を地元車が占めていた。

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 ここに、本州国道最北端の制覇を宣言する。

 

 

以上、本州で最も北に位置する国道の短い最期の区間であった。

 

 

日本の信号機だけど日本じゃない!日本では決して有り得ない珍信号 in カンボジア (第2回)

前記事(

)に引き続き、カンボジアに設置された日本の信号機ネタを紹介する。

 

 

日本には存在しない『赤矢印』

日本で定められている信号灯火の種類は全部で7つ。青灯火、黄灯火、赤灯火、緑矢印、黄矢印(路面電車用)、歩行者用(青)、歩行者用(赤)が全てである。

公道では、決められた種類以外の灯火は点灯させてはいけない事になっているので、日本の信号機はこれら7種類の灯火以外は点灯しないのが普通であると思われる読者の方も多いだろう。

 

しかし、カンボジアでは、日本製の信号機が以上の7種類に含まれない赤矢印を点灯させていた!

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見慣れた灯器に見慣れぬ灯火

一部の国では、3色の矢印を用いて進行方向別に信号を制御する手法が採用されており、赤の矢印は、『矢印で示された方向には曲がってはいけない』という意味で用いられている。

黄矢印も、日本のように路面電車用ではなく、車両用として青や赤の矢印と同様に用いられているものと推測できる。

見慣れた信号機が、日本と全く異なるルールで運用されているのは感慨深い。

 

 

複雑な電線と読めない地名板

東南アジアでは、下の写真の様に電線が整理されず異常増殖している場面が見受けられる。カンボジアも例外ではないようだ。

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複雑に絡み合った信号機

どの電線が何処に繋がっているのかが非常に分かり辛く、運用管理上で問題が発生しやすくなるうえ(信号機の電線が誤って切断されてしまう恐れも!)、ショート(回路短絡)やそれによる火災のリスクがある。

 

また、ここは日本ではないので、現地語で書かれた地名板は当然読むことが出来ない。

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日本製の信号機&現地語で書かれた地名板

以上は当然のことであるが、そこに日本の信号機がくっついているのが面白いのである。外国で日本語が書かれた看板を見ると思わず反応してしまう。それに同じ。

 

エクストリーム・手作り矢印

前回記事にて、不自然にモザイクが掛けられた青灯火の画像があった事を覚えているだろうか。

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モザイクが掛かった青灯火

それは、何を隠そう、この青灯火がただの青灯火ではないからである。

 

今から、この隠された青灯火の全容をご覧頂こう。

 

↓  ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓

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何だ、この矢印は!!

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これは、正直変

単に、青の位置に矢印が組み込まれている(矢印組み込み)だけではなく、明らかに矢印自体が変な形をしている事が分かる。

公道なのに、手作り感満載なのが笑える。

 

かなり無理矢理に、LEDが矢印の形に並べられているのだ。或いは、普通の青灯火の上から矢印の形に切り抜いた黒いフードを被せたのだろうか。

 

日本では通常赤灯火+直進矢印+右矢印で表現され、カンボジアの他の交差点では青灯火+左矢印(赤)で表現されるこの規制。

 

しかし、カンボジアには以上のどちらでもない、第3の方法が編み出されていたのであった。予算節減だろうか

 

なお、左矢印は、日本と同じく通常形のものが赤灯火の下に取り付けられている。

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こちらの矢印は普通だ(3位灯の灯火の順番が逆だが)

このように、外国や初めての土地で見る何気ない物一つ一つに、その国の文化と歴史が詰まっていると考えると、隅から隅まで様々な物に目を逸らし、注目して『何故そうなったのか』を考察してみる事が大切であると思う。

 

また、今回は、道路関連の信号機の中の一ジャンル、それも特定の国について扱ったに過ぎないが、信号機一つとってもかなり深い話へ掘り下げる事が出来た。

道路全体について深く掘り下げるとすると、いかに果てしない話になるかがお分かりいただけたかと思う。

 

まだまだ、道路界隈には面白い話が沢山ある。この世界の広さと深さも、当ブログで筆者が積極的に発信していきたい事の一つである。

 

【完】