相模原市緑区葉山島の行き止まり高側道(第6回)

2019/06/30 実写、07/08 公開

※(第1回第5回)の続きですので、以前の記事を読まれていない方は先にそちらをご一読ください。

 

ここで、一度位置関係を整理しよう。

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これまで探索した側道と階段との位置関係

今回は、この先が見えない階段(上図の緑線)を行く。

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大袈裟ではなく、本当に先の様子が分からない。何事もなく下れるのか、藪に埋もれるのか。

 

しかし、方角的にはほぼ真東に向かっていると思われる。恐らく、階段を下りきった先は、先程の階段を上った先と同じように獣道へ接続し、その後下界へ下っているのだろう。

今回も、階段が途切れるまで進んでみる事にした。

 

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いきなり、急である。途中で勾配が変わる時点で、只物ではない

 

正面写真だけでは、その勾配の凄まじさが分かり辛いかも知れないので、横を向いて撮影した写真もお見せしよう。

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写真が少し傾いているが、手摺とその支柱の交差角度から算出した階段の勾配は、実に86.9%(41度)を示している。

 

86.9%の階段とは、どれほど急であるか。

 

国土交通省が公開しているPDF(https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19780322rittaioudann.pdf)内の「2-7. 昇降方式」の項目に、歩道橋に設けられる階段の勾配についての記述がある。曰く、

階段の勾配は 50%を標準とし、斜路および斜路付階段の勾配は、それぞれ 12%、25%をこえてはならない。

あくまで歩道橋に設けられる階段のデータであるから、通常の斜面に設置される階段とは基準が異なる可能性もあるが、仮に同じだとすると斜路(スロープ)付きの階段の3.5倍、そうでない階段と比べても1.7倍程急である。

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踏み幅が狭く、一段一段の落差が非常に大きい

 

途中で勾配が大きく変化し、しかも基準値の1.7倍も急な現代チックの階段…

外見は今風でも、中身は侮れなかった。

 

そんな階段は、途中で踊り場を挟み、少し右に折れてなお下る。

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数段下っただけでこの高度感

 

後は、階段の終点まで一直線だった。

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まるで鳥にでもなった気分だ

そして、意外なことに、どうやら車道と合流するようである。
いや、車道では無いのかも知れない。

少なくとも、車道級の幅を持った道である。

 

下り切ってから判明した。

この車道らしき道は、階段にぶち当たって途切れているのである。

また、この道が少し上っている事が分かるだろう。(写真は振り返って撮影)

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階段の存在感

また、柵は一切途切れておらず、柵の外側も私有地であり通り抜けられる雰囲気では無かった。

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即ち、今下ってきた階段と上り坂の車道らしき道を除いては、この地点から脱せそうな道は見当たらなかったのである。

 

 

 

…。

 

 

私は何だか嫌な予感がしたが、目の前に道が続いている以上、今はこの足元に現れた車道を進む他はない。

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手前に車止めがあるから、奥は車道かも知れない

やがて、この一連の道に隠されたあまりに悲しい現実が見えてくる。

【続く】

 

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