3灯の角型灯器は、今、神奈川ではたった2箇所のみ残るレア信号機になっていた(前編)

今回は、神奈川県に残る古い信号機、とりわけ角型灯器に関して話をしたい。

 

神奈川にも、古い信号機はまだまだ公道上に残っているのだ。

 

そう言われると、「当たり前だ」という人と、「意外だ」と思われる方が混在すると思う。

 

しかし、以下の写真を見て欲しい。

 

ここ1年の間で、これらの信号機を見た事のある人はどれほど居るだろうか?

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近年では殆ど見かけない、角ばった古い信号機

恐らくは見る機会が無いか、或いは他の(ありふれた)灯器と比べて必然的に見掛ける頻度が少なくなる筈だ。

 

写真のような、角ばった形の古灯器を、そのまま「角型灯器」 と呼ぶ。

 

これらの信号機は昭和40年代後半~50年代前半に製造されたもので、神奈川に残る信号機の中では最古参に分類される。

 

10年であれば各地で、3年前でもそこそこ数が残っていた角型灯器だが、近年では急激にその数を減らしており、

2019年7月16日現在で、神奈川県には、3灯の角型灯器は僅かに2箇所(5基)を数えるのみとなっている。2灯式を含めればもう少し多いが、そちらも淘汰の流れが強くなっている

 

【追記(2021/12/1)】

光が丘の角型灯器は2020年1月、末吉橋の角型灯器は2021年12月に撤去され、神奈川の公道から3灯の角型灯器が絶滅する予定である。

12月9日頃の絶滅になる可能性が高いが、信憑性不明な情報なのでご参考までに。

 

【更なる追記】

末吉橋の両面角型灯器は2021年12月9日午前11時30分頃に完全撤去されている。

また、歩道橋に付いていた京三製片面角型灯器は、少し早い同日早朝の撤去だった模様。

撤去後の角型灯器を間近で見学させて頂いたのは貴重な機会であった。

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以下、撤去前に執筆した原文ママでお送りする。

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神奈川に現存する3灯の角型灯器マップ

それでは、角型灯器が現存する選ばれし2つの交差点を紹介しよう。

 

支柱と円弧アームが用いられた設置としては神奈川最後の角型、全国唯一の両面角型灯器が残る末吉橋交差点

2018/12/29撮影、2019/07/16公開

 

場所はコチラ 。鶴見川を渡る末吉橋の、川崎市側の袂にある交差点である。

 

この交差点の目玉は、何と言っても令和の時代に現役で稼働している全国唯一の両面角型灯器(京三製作所製)だ。

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写真の信号機は、全国でここにしかない

 この灯器の何が凄いかというと、両面セットで1基の灯器として製造されている事。

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銘盤が片方にしか取り付けられていない(黄丸部)事が、両面併せて1基の信号機である事の証左である

通常の交差点では、アームの両面に設置されている信号機は、それぞれ区別して2基と数えられる。しかし、ここでは、写真の組み合わせで1基の信号機と数えられるのだ。

 

両面セットの信号機は、その管理の大変さから次第に敬遠されていき、1基も製造されていない現在では、その数が減る一方になっていた。

 

そして、今年中に予定通り歩道橋の架け替え工事が実施されれば、その数はとうとうゼロになってしまうのだ。

 

現役で稼働している今の内に、実際に現地に赴いてその姿を愛でてみればどうだろうか。

 

また、歩道橋には片面式の角型灯器(こちらも京三製作所製)が設置されている。

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電線の陰に隠れて、綺麗に撮影できない

こちらは、後述の光が丘交差点や他県にも同型のものが設置されており、絶滅は少しだけ先になりそうだ。

 

因みに、Twitter上では、10日前の7月6日に現存報告が上がっていた。

 

但し、歩道橋の架け替えが今年中にも実施される予定であるため、ご老体の歩道橋共々、角型灯器も近いうちにこの交差点から消滅してしまうものと推測される。

 

もしこの記事を見て、末吉橋交差点で角型灯器を撮影したいという奇特な方がいらっしゃれば、可能な限り早めに撮影するべし。

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全国に唯一残る両面角型灯器を、同じくご老体の歩道橋、そして道行く人と絡めて撮影。味がある

後編では、神奈川県大和市にある光が丘交差点の角型灯器を紹介しようと思う。

 

【続く】

 

<次の記事>

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