補助幹線道路はどんな道?定義と私見
補助幹線道路のイメージが妙に掴みづらい件。
補助幹線道路、具体的にどういう道路を指すのか微妙に分からないな…
— たこ@道路好団垢 (@road0724day) 2021年11月24日
市内レベルの幹線道路(例:https://t.co/F0HGqWuSPc)を指す意見もあれば、市内の複数地区を結ぶレベルの道(交通量はそれなりにある)(例:https://t.co/O2cTBTtFb7)を指す意見もあって混乱してる
そこで、補助幹線道路にはどのような定義があるのか、国交省の文献にある記述をまとめてみました。
【文献1】首都国道事務所 用語辞典
幹線道路と区画道路とを連絡し、これらの道路の交通を集散させる機能をもつ道路で、住宅地では近隣住区内に目的をもつ人々が、日常生活に利用する道路のうち、幹線的な道路をいう。
https://www.ktr.mlit.go.jp/syuto/jiten/
【文献2】国土交通省 道路の標準幅員に関する基準(案)について
地方部にあっては、主として地方生活圏内の一次生活圏の骨格となるとともに幹線道
路を補完し、一次生活圏相互を連絡する道路をいう。
都市部にあっては近隣住区内の幹線となる道路をいう。
https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/069/79000096/79000096.html
因みに、ここで言う生活圏には3種類あり、
①地方生活圏……ある程度の大きさをもった都市を中心として、いくつかの二次生活圏から構成される地域をいう。
②二次生活圏……大きな買物ができる商店街、専門医をもつ病院、高等学校などかなり広範囲の利用圏をもつ都市を中心に一次生活圏をいくつかその中に含む地域をいう。
③一次生活圏……役場、診療所、中学校などの基礎的な公共施設が集まっていて、それらのサービスが及ぶ地域をいう。
とありますから、一次生活圏は最も小さい生活圏の単位であると言えます。
しかし、文献2が作られた当時(昭和50年)には、既に高校の数が役場の数を上回っているなど、例示されている施設の選定基準は謎です。
ここで、全国の市町村数、小学校数、中学校数、高校数、有床診療所数の推移を見てみましょう。
昭和の大合併前(1950年)、文献2の作成年度(1975年)、そして現在の数(概数)をまとめました。
市町村数 | 小学校数 | 中学校数 | 高校数 | 有床診療所数 | |
1950年 | 約10000 | 約26000 | 約14000 | 約4500 | 不明 |
1975年 | 約3300 | 約25000 | 約11000 | 約5000 | 約30000 |
現在 | 1747 | 約19000 | 約10000 | 約5000 | 約7000 |
※赤字:一次生活圏、青字:二次生活圏に当てはまるもの
【参考】
小学校:【2020年最新版】小学校に関する統計まとめ(学校数・教員数・職員数の推移)
中学校:【2020年最新版】中学校に関する統計まとめ(学校数・教員数・職員数の推移)
高校:【2020年最新版】高校に関する統計まとめ(高校の数・教員数・職員数の推移)
有床診療所:厚生労働省:結果の概要 2020.8.28 日本の医療施設数はどのくらい? | シニアライフ総研
これらを総合すると、現在の基準では、一次生活圏は全国に10000程度ある中学校か、20000程度ある小学校の学区程度のものであると想像した方が良さそうです。
また、二次生活圏は平成の大合併前の市区町村や政令区を基準にすると分かり易いかも知れません。知らんけど。
そうすると、一次生活圏の骨格を成し、複数の一次生活圏を連絡する補助幹線道路は、概ね以下のような道路だろうと思われます。(写真はいずれも市道 or 区道)
上記の道路の選定基準は、定義を参考にしつつ
・概ね2車線だが、あまり広くない
・住宅街における主要道路
・あまり広域でない移動に用いるローカルな幹線道路
・生活道路チックだがそれなりの交通需要がある
道路としました。(ここの曖昧さを詰めていけるかが今後の課題になりそうです)
また、以下のような道路は補助幹線道路の一つ上のランク(私は幹線道路を2つのランクに分ける案を提案するため、幹線道路の2つのランクのうち下の方)であると考えています。(幹線市道 or ローカルな都道府県道)
上記の道路の選定基準は、
・概ね2車線で、幅員に余裕がある
・市内レベルの移動に用いる幹線道路
・4車線道路でも2車線分の交通需要しかない
・県内レベルor全国レベルの移動需要を捌く主要な県道や国道ではない
としました。(ここも曖昧ですね…)
今後の記事では、補助幹線道路を当記事のようなイメージで捉えつつ、道路の段階構成について少しずつ語りたいと思います。
(完)