日本の信号機だけど日本じゃない!日本では決して有り得ない珍信号 in カンボジア (第2回)

前記事(

)に引き続き、カンボジアに設置された日本の信号機ネタを紹介する。

 

 

日本には存在しない『赤矢印』

日本で定められている信号灯火の種類は全部で7つ。青灯火、黄灯火、赤灯火、緑矢印、黄矢印(路面電車用)、歩行者用(青)、歩行者用(赤)が全てである。

公道では、決められた種類以外の灯火は点灯させてはいけない事になっているので、日本の信号機はこれら7種類の灯火以外は点灯しないのが普通であると思われる読者の方も多いだろう。

 

しかし、カンボジアでは、日本製の信号機が以上の7種類に含まれない赤矢印を点灯させていた!

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見慣れた灯器に見慣れぬ灯火

一部の国では、3色の矢印を用いて進行方向別に信号を制御する手法が採用されており、赤の矢印は、『矢印で示された方向には曲がってはいけない』という意味で用いられている。

黄矢印も、日本のように路面電車用ではなく、車両用として青や赤の矢印と同様に用いられているものと推測できる。

見慣れた信号機が、日本と全く異なるルールで運用されているのは感慨深い。

 

 

複雑な電線と読めない地名板

東南アジアでは、下の写真の様に電線が整理されず異常増殖している場面が見受けられる。カンボジアも例外ではないようだ。

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複雑に絡み合った信号機

どの電線が何処に繋がっているのかが非常に分かり辛く、運用管理上で問題が発生しやすくなるうえ(信号機の電線が誤って切断されてしまう恐れも!)、ショート(回路短絡)やそれによる火災のリスクがある。

 

また、ここは日本ではないので、現地語で書かれた地名板は当然読むことが出来ない。

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日本製の信号機&現地語で書かれた地名板

以上は当然のことであるが、そこに日本の信号機がくっついているのが面白いのである。外国で日本語が書かれた看板を見ると思わず反応してしまう。それに同じ。

 

エクストリーム・手作り矢印

前回記事にて、不自然にモザイクが掛けられた青灯火の画像があった事を覚えているだろうか。

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モザイクが掛かった青灯火

それは、何を隠そう、この青灯火がただの青灯火ではないからである。

 

今から、この隠された青灯火の全容をご覧頂こう。

 

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何だ、この矢印は!!

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これは、正直変

単に、青の位置に矢印が組み込まれている(矢印組み込み)だけではなく、明らかに矢印自体が変な形をしている事が分かる。

公道なのに、手作り感満載なのが笑える。

 

かなり無理矢理に、LEDが矢印の形に並べられているのだ。或いは、普通の青灯火の上から矢印の形に切り抜いた黒いフードを被せたのだろうか。

 

日本では通常赤灯火+直進矢印+右矢印で表現され、カンボジアの他の交差点では青灯火+左矢印(赤)で表現されるこの規制。

 

しかし、カンボジアには以上のどちらでもない、第3の方法が編み出されていたのであった。予算節減だろうか

 

なお、左矢印は、日本と同じく通常形のものが赤灯火の下に取り付けられている。

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こちらの矢印は普通だ(3位灯の灯火の順番が逆だが)

このように、外国や初めての土地で見る何気ない物一つ一つに、その国の文化と歴史が詰まっていると考えると、隅から隅まで様々な物に目を逸らし、注目して『何故そうなったのか』を考察してみる事が大切であると思う。

 

また、今回は、道路関連の信号機の中の一ジャンル、それも特定の国について扱ったに過ぎないが、信号機一つとってもかなり深い話へ掘り下げる事が出来た。

道路全体について深く掘り下げるとすると、いかに果てしない話になるかがお分かりいただけたかと思う。

 

まだまだ、道路界隈には面白い話が沢山ある。この世界の広さと深さも、当ブログで筆者が積極的に発信していきたい事の一つである。

 

【完】