【路線的な規制速度改善提案①】座間市役所北交差点~南林間駅(市道)

【今回紹介区間

始点:神奈川県座間市 「座間市役所北」交差点

終点:神奈川県大和市 南林間駅駅前ロータリー

延長:3.9km

車線数:片側1車線(全線両側歩道付)

幹線度:地区幹線道路(★★★★☆☆)

制限速度の改正案は「特定の属性」や「路線別」に大雑把に語られる事が殆どですが、本記事では画一的な速度規制を少しでも減らす目的で、1つの路線を詳細に分割して分析し、より精密に提案しようと思います。

※今回は試験的な記事のため、次回以降は記事の趣旨やフォーマットが変わる可能性があります。

 

【スタート:始点から0.0km地点

40→50km/h(改正前→改正後)

今回紹介する区間のスタートとなる「座間市役所北」交差点直後の様子。

両側に歩道を完備した普通の2車線道路で、辺りは中心街から離れた郊外の住宅街です。

【注記】

当ブログでは、制限速度改正の目標として「改正後の規制に納得感を持たせた上で、大半(目安は85%以上)の自動車が概ね規制速度を守って走行する」ことを掲げます。

従って、現状のように規制速度を大幅に超過して走行する事は想定せず、例えば50km/h規制はあくまで50km/h近辺(45~55km/h)以内での走行が妥当であると判断した場合に提示する事とします。

多くの場合、都市部では当ブログの掲げる速度規制から0~10km/h、非都市部では10~20km/hを引き算すると、現実の速度規制の感覚に近くなると思います。

 

【始点から450m地点】

40→50km/h

住宅街を抜けると、沿道からの出入りの無い直線道路になります。

しかし距離が短いため、更なる制限速度引き上げは厳しいでしょう。

 

【始点から800m地点】

40→50km/h

橋の先では、信号交差点が2連続します。

手前の幹線道路同士の交差点のみならず、奥の小さい交差点の横道(主要区画道路相当)から出て来る車も多いです。

 

【始点から1.1km地点】

40→50km/h

信号を過ぎると、沿道の建物が減り、畑に囲まれた直線道路になります。

 

【始点から1.6km地点】

40→50km/h

更に進むと、沿道には日産の大規模な工場が立地するようになります。引き続き、沿道からの出入りは限られています。

 

【始点から1.9km地点】

40→50km/h

日産の工場を過ぎると、沿道は再び住宅街に変わる一方で、車道の幅員が広がり、自転車レーンが出現します。

 

【始点から2.3km地点】

40→40km/h

「南林間入口」交差点を過ぎると、自転車や横断歩行者、横道から出入りする車や路駐車などが増え、沿道に活気が増してきます。

 

【始点から3.0km地点】

40→40km/h

十条通り」交差点を過ぎると道幅が狭くなり、歩道も簡易的なものに変わります。

南林間駅が段々と近付き、自転車や歩行者も頻繁に見掛けるようになります。

 

【始点から3.6km地点】

40→30km/h

当路線最後となる幹線道路との交差点を過ぎると、南林間駅まではあと300m。歩行者の存在感が増し、駅前ムードが濃くなります。

 

【始点から3.7km地点】

40→30km/h

横断者が特に多い横断歩道を過ぎると道幅が広がりますが、長くは続きません。

右折先の道は一応2車線で交通需要もそれなりにありますが、歩行者や自転車、路駐車も多く、自動車の動線との交錯が起こりやすい道です。

 

【ゴール:始点から3.9km地点

40→30km/h

今回紹介する区間の終点、南林間駅前ロータリーに到着です。

線路の反対側にも同規模の道がありますが、両者を直接繋ぐ道は存在しないため、近くの踏切へ迂回する必要があります。そして、迂回する道は頻繁に渋滞しています

 

 

TwitterのTLでもたまに規制速度は引き上げるべきか否かという議論がたまに起こりますが、画一的な規制速度体系について言及している人はほぼ見掛けません。

しかし、結局は実勢速度や道路状況を基に引き上げ/維持/引き下げを柔軟に判断し、画一性を軽減するのが最適解でしょう。

ただ、結果的に、平均的には郊外を中心に引き上げ基調になると思います。自動車の性能向上に、特に郊外で規制速度が追い付いていないのが最大の要因です。

 

規制速度改良案を提案するにあたり、私が現在感じている課題は以下のようなものです。現在思いつくものを挙げたので、まだまだあると思われます

・規制速度の決定プロセスが定量化されていない点

・現状の規制速度を基にした引き上げ/引き下げで終わらせて良いのか、制限速度の抜本的な新体系を構築する必要があるのかという点

・規制速度の決定が道路管理者でなく、取締側(警察)に一任されている点

・警察側の取締プロセスが不合理な点

・国民間での合意形成の取り方 ☜これは、下記の課題に直結します

・規制速度を定義通り最高速度として運用可能(=制限速度以下で巡航するのが全ての人にとって当たり前になる)なのか、巡航速度として運用せざるを得ない(=5~10km/hオーバーまで認める)のかという点

 

これは私が現状どうにか出来るような物ではないので、私なりの解釈を交えつつ、今後も当ブログで随時規制速度改善の提案をしていきたいと思います。

もちろんそれ以外の記事も書くのでご心配なく!

(完)

帷子川の源流のその先へ(探索編その1)

【2022/2/19 探索 / 2022/4/1公開】

※本記事は導入編の続きです。本記事へ最初に飛んだ方は、先に導入編を読まれる事をお勧めします。

 

水源の上流になおも続く水路の謎を解き明かす。

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本当に解き明かせるのか?

【Map】

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今いる水源地がA地点だ

A地点(水源)から上流側を望む。

行く先はフェンスで閉ざされ、その先も藪であり進行は困難だ。

まずは、横にある階段を上り、水路と並走する上の道で迂回を試みる。

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上の道から水路の上流方面を望む。

車道と対岸の造成地との間に、小さなが続いている。

かつては、右側の車道がある土地にも盛土が無く、谷底の一部だったようだ。

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同じく下流方面を望む。

やや右側にあるピンク色の建物の辺りに「水源」がある。

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上流側をズームすると、地上にマンホールが突き出ている。

ここから川の水が流れ込んでいるのだろうか。

最初の目標は、マンホール周辺の様子の解明である。

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何とかしてマンホールの近くへ到達できないかっ…!!

 

藪のある斜面の正面突破は厳しそうなので、迂回ルートを探す事に。

マンホールのある場所を「地点B」とする。

 

さらに歩道を進むと、水道用地の入口へ。

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何やら道らしきものが奥へ続いており、マンホール到達への手掛かりとなるかも知れない。この場所を地点Cとする。

水道用地が道路である例は数知れず。ここでも一般の利用(占拠)は禁じられているが、通行は特に禁じられていない

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ところで、この地点からは3本の道が伸びているようだ。マンホールへ一番近いのは左だと思われるが…

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目と鼻の先にがあり、とてもではないが進みたくない。

本当に道かどうかも怪しい程だ。

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そこで、踏み跡のしっかりした左斜めの道へ進むと、写真の場所(地点D)へ出てくる。

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地理院地図ではこの地に車道が存在する事になっているが、現地の状況はハッキリ言ってだった。

 

何も無い土地が、コンクリート製の低い壁によって「何らかの敷地内」と「敷地外」に分けられているらしかった。

ここだけ、周辺の山と連続性の無い平地になっているのも気になる点だ。

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この場所 is

 

確かに車道の幅を持った敷地は存在するけれど…

(続く)

局地的な制限速度の改善提案 ~三ツ境下草柳線と中原街道の合流部を例に~

高速道路のインター等でよく見掛ける40km/h規制

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新東名・新御殿場IC

途中には確かに制限速度でしか曲がれないような急カーブがあるものの、

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急カーブを過ぎた後の良線形区間でも同じ制限速度が続き、

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本線に入る前まで40km/h規制というのはよくある話です。(2020/3/31まで合流車線が60km/h規制でしたが、現在は本線と同じ制限速度となりました。参考:https://bestcarweb.jp/news/146949)

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このような「画一的な」規制は、カーブも直線も同じ速度で走る事を想定した設計速度の数値がそのまま規制速度に流用されている為に起こります。

ですが、「本線へ合流する直前」や「本線から分岐した直後」の区間を、急カーブと同じ40km/hで走る事は少ないでしょう。

実際に運転する際は、線形の良し悪しによって柔軟に走行速度を変えていると思います。

 

道路の制限速度は、このような短いスパンでの柔軟な走行速度の変化をも合法的にカバーすべきではないでしょうか。

自動運転技術が世に出つつある今、局地的な制限速度の改正は益々必要性が高まっています。

 

ですが、「どのように規制速度を変えるか」に関してはあまり議論が進んでいないので、当ブログでは実例に触れながら自分なりの意見を確立していきたいと考えています。

 

 

今回触れるのは、横浜市瀬谷区にある神奈川県道45号(中原街道)(都)三ツ境下草柳線の接続部分です。

 

まずは現状から。

三ツ境下草柳線の本線は40km/h、接続部は30km/hというよくある「画一的な」規制です。また、中原街道は法定速度(60km/h規制)です。

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※30km/hの路面標示のマークがありますが、路面標示のみの設置で道路標識が設置されていなかった為です。

 

制限速度の効力を高めるために、適切な走行速度を運転者に伝えられる規制にするには、実際にこの道を通る大多数の車の走行速度に近付けることが近道です。

そこで、大多数の車の走行速度をそのまま制限速度へ反映すると、下図のようになります。

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中原街道へ合流する直前のカーブでは制限速度以上の減速が必要ですが、それ以外の区間では40km/hでの安全走行が可能です。

【追記】三ツ境下草柳線には2段階減速(50km/h→40km/h→20km/h)を取り入れる事で急激な速度変化を抑え、速度が出やすい直線区間と直角の急カーブとを滑らかに接続しています。(また、緩衝区間を余り長く取らない事で、実際の運転挙動に合わせています)

 

しかし、上の画像を見ても分かる通り、制限速度が走行速度の変化に忠実過ぎると、規制速度が複雑になることが分かります。

次々と現れる規制標識のために運転手側の情報処理が煩雑になり、安全性が却って低下する事も考えられます。(また、警察側の管理も大変になります)

 

そこで、規制速度の変化を最小限に留めつつ、適切に速度調節できるよう運転者を誘導するにはどのようにすれば良いでしょうか。

 

私の提案の一つは、速度規制を最小限にしつつ「安全速度」の標識を併用する事です。

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安全速度標識の改良案にも様々なパターンが考えられます

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急カーブ等、減速が必要な箇所には敢えて規制速度標識を設置せず、安全速度標識のみを設置する事で、規制速度に惑わされずに最適な走行速度を的確に把握できます。

60km/h規制の急カーブがあるが実際には60km/h規制標識を設置せず、「安全速度20km/h」の標識のみをドライバーに見せる事で、ドライバーには「20km/hで走行すべき」という情報のみが記憶される

そして、急カーブが落ち着いた頃に規制速度標識を設置します。

この規制速度は良線形区間に最適化されているため、実際の走行速度との乖離も発生しづらくなります。

 

 

っと、大体このような感じでしょうか。

今後、他の道路でもこのような分析をしてみたいと思います。

 

最後に、現地写真を数枚掲載して締め括ります。

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正面に見えるのが(都)三ツ境下草柳線

 

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中原街道と接続する道路。急カーブの合間は40km/hでも十分安全に走行できる

 

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中原街道からの流出直後にある急カーブ。(安全速度20km/h)

 

帷子川の源流探索や、仙台の折立交差点の続編もいずれ書きたいですね…

(完)

帷子川の源流のその先へ(導入編)

【2022/2/19 探索 / 2022/2/19公開】

 

帷子川かたびらがわ)は、横浜市旭区上川井町に源を発し、旭区・保土ヶ谷区・西区などの市街地を流れ、横浜港の近くへ注ぐ延長17.3kmの二級河川

この川の流域は坂の多い横浜の住宅街を象徴し、横浜駅方面から日産グローバルギャラリーへ渡るはまみらいウォークもこの川を跨いでいるなど、横浜の街と深い関わりがある川です。また、難読の河川名として地理好きの方には有名かも知れません。

 

水源付近は下段:地下水路、上段:プロムナードの二重構造となっており、手入れが行き届いていて多くの人々に親しまれています。

 

まずは水源地を見ていきましょう。

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ここが帷子川の水源地。漬物石のような石から、水が湧き出ていました。

 

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この土地については全く触れられていない源流地の看板。

 

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階段があり、川沿いの遊歩道から上の道へ出られます。

かつての水源は若葉台団地の造成により失われ、現在の起点はこの場所とされている…

 

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筈でした。

 

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あれれ、水源の先に水路が!??!?!!?

 

こんな筈はない、ここで過去の航空写真と見比べねば…

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写真は、若葉台団地が造成される遥か前の1947年のもの。どうやら、田んぼは川に沿って細長く分布していたようです。

昔は、この地点で谷が2方向に分岐していた様子が分かります。

これらの谷戸の地形の大部分は既に失われていますが、現在の水源から西へ伸びている谷戸の主である水路が地上に現存しているようでした。

 

川の源流へ遡ったブログ記事は多数存在し、かのはまれぽも記事化しているほど。

しかし、この地点より先を探索している記事がかなり限られており、探検心がくすぐられました。(水道の三保幹線の用地を歩いてみたい事も理由の一つ)

 

今回は、そんな有名な川の意外と知られていない本当の源流を探索します。

道にまつわる面白い発見も?

続く

仙台市・折立交差点の改良案を作ってみた。(前編)

うわあ…
事故でもないのに、信号が原因で県道で5km超の渋滞はエグ過ぎる……

(2022/1/20、中の人のTwitterより)

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仙台市青葉区東北道の仙台宮城ICにほど近い折立地区の「折立」交差点で、2022/1/20に突如信号制御が変わりました。

 

そして、突如5km以上の渋滞が出現。

 

ラッシュ時は、交差点の通過時間が30分延びたとの声も。現在は多少改善しているものの、連日大渋滞の状況は未だ変わらず。

Googleマップ

 

詳細は、「交通信号機等調整準備中」氏の動画で解説されているので、最初にこちらをご覧ください。

①  【苦情殺到】宮城県警やらかす!信号機改造で大渋滞!仙台市青葉区「折立」交差点が交通改悪~新名所・渋滞スポット~ - YouTube

②  徹底解説版【苦情殺到】宮城県警やらかす!信号機改造で大渋滞!仙台市青葉区「折立」交差点が交通改悪~新名所・渋滞スポット~の補足動画を作りたかった。 - YouTube

 

また、制御変更前の信号サイクルは、「FYRAN CATCHER  道路関係動画アカウント」氏の動画に載っています。

③  来年2月に右折分離式になる折立交差点をご紹介 - YouTube

 

動画①では、新しい信号制御の大きな欠点が以下のように述べられています。

・対向車分離式信号 & 歩車分離式信号により、車両を捌く効率が悪化

・あろう事か、歩灯の青時間は、一番交通量の多い方向の青時間を犠牲にして確保されている

 

また、動画②では新しい信号制御による渋滞をより悪化させた原因や、信号制御に関する制約について以下のように述べられています。

・信号制御の変更が事前に周知されていなかった(看板ナシ)

・対向車分離式の標示が無いため、従来通り対向側の直進車を待つ右折車が多かった

・北側の道は右折レーンが短く、右折車が直進車線へ溢れるのを防ぐため全方面同時に青にする必要がある(橋があるため拡幅も困難)

・歩車分離式にも拘わらず、2方向の横断歩道を一度に渡り切るには横断歩道の青時間が短すぎる

・交差点の対角へ渡るため、歩車分離式信号を2回発動させる人が多かった

・案外歩行者は多いが、全方向の横断歩道が同時に使われる事は無かった

・東側の道は左折レーンが2車線ある上に速度も出やすく、左折時に歩行者と衝突するリスクが高いため、歩車が交錯しないような信号制御は必要

・折立交差点を迂回するマトモな道は実質無いに等しい

今の信号サイクルを決めた人は、この結末を予想出来なかったのでしょうか。

 

とは言え、自動車側の利点も一応無いわけではありません。

・歩行者と自動車の接触事故が無くなる(歩灯と車灯が別々に青になるため)

・南北方向の右直事故が無くなる(南方向と北方向が別々に青になるため)

 

しかし、この程度の利点ならば、渋滞対策と両立して行う事は可能な筈です。

そこで、本記事では、上記の利点を生かしつつ、渋滞を最小限に抑える効果的な交差点&信号サイクルの改良法を考える事にします。

【改良項目一覧】

1⃣ 交差点の改良

 ① 交差点のコンパクト化

 ② 2段階横断の導入

 ③ 信号制御変更の案内、時差式である事を知らせる表示板の導入

2⃣ 信号制御の変更

 ④ 主要方向(南⇔東方向)の青時間を優先的に確保

 ⑤ 横断歩道は方向別に異なるタイミングで青に

 ⑥ 歩車分離による影響を最小限に抑えた、効率的な信号サイクルへ

 

1⃣交差点の改良

①交差点のコンパクト化

文字通り、交差点の面積を減らす事です。

停止線を前方に出し、交差点内の走行距離を減らす事で、交差点をより短い時間で通過できるようになり、スムーズな信号制御が可能になります。(※1)

また、自分の進むべき方向を交差点内で見失いにくくする事で、より安全に交差点を通行できます。

※1:交差点の通過に必要な時間を5秒としましょう。ある方向の信号が赤になってから5秒後までは、最後の車が交差点内にいる状態なので、次の方向の信号を青にできません。この間、全方向の信号が赤になり、タイムロスが発生します。交差点の通過に必要な時間が減れば、タイムロスも減らせるのです。

 

② 2段階横断の導入

道路を2回に分けて横断させる事で、1回当たりの横断距離が減り、歩行者信号の青時間を減らせます。

また、青信号のタイミングをきめ細かく(方向別に異なるタイミングで)制御できるため、車両用青信号のタイムロスを減らせます。

 

中の人は、面積を減らした交差点の新しい形を2種類考えました。

なお、図の上方向が北です。

交差点改良案1.東側の横断歩道のみ2段階横断化(交差点面積縮小度:中)

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東側の横断歩道を別々に青にする事で、東側からの左折車両を流しながら、より横断距離の長い横断歩道Cの歩行者を渡らせる事ができます。

また、東側と南側の道で、停止線を大きく前出ししています。(それぞれ2台分、1台分)

 

交差点改良案2.東側と南側の横断歩道を2段階横断化(交差点面積縮小度:高)

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台北環状線(東側の道)からの左折車両を、南側の横断歩道Bが青の状態で同時に流す事ができます。

また、南側の道の停止線を2.5台分も前出ししているため、交差点の通過に必要な時間がかなり短縮されています。

但し、南側からの右折車両と北側からの右折車両を同時に流せない点に注意です。

 

2⃣ 信号制御の変更

次に、信号サイクルの改良案を考えてみます。

まずは、制約条件を整理してみましょう。

【自動車】

ア.南側の道(仙台宮城IC方面)と東側の道(仙台北環状線の間の往来が最も激しい

イ.南⇔北方向と東⇔西方向、西⇔北方向の往来も多い

ウ.北⇔東方向の往来を除けば、全方向ともにそこそこ交通需要が高い

エ.北側の道は右折レーンが短く、右折車両が直進車の車列に溢れる事がある

オ.1つの進行方向に対する青信号は1サイクルで1回のみ

【歩行者】

カ.安全上、歩車が交錯しない制御は必要

キ.一度の青信号(30秒余り)で2方向の横断歩道を別々に渡る事は難しい

ク.全ての横断歩道が同時に渡られる事はない

ケ.西側と南側の横断歩道が比較的よく使われる

 

以上の制約条件から、新しい信号制御の方針を以下のように定めます。

アより、南⇔東方向の青信号を最も優先する事

イ・ウより、なるべく青時間を長く取るべき方向が多い事

エより、北側の道からの直進車と右折車をなるべく同時に流す事

カより、横断歩道と交錯する交通流は同時に青信号にしない事

キ・クより、横断歩道は方向別に異なるタイミングで青にする事

クより、西側と南側の横断歩道は押ボタンでない制御も考える事

 

ここからは、交差点改良案の1と2で話が少し違うので、別々に考えたいと思います。

(続く)

日本の道路の規制速度改良案と決定フロー(概論)

【この記事は、当方の脳内整理を目的としたいわばプロトタイプです。ツッコミ発生前提で書いていますが悪しからずご了承ください。】

 

テキトーな規制で、実態に即してない場合も多く、お世辞にも守られる事が多いとは言えない日本の制限速度。

ドライバーの多くが「納得して守れる」規制で、かつ交通安全を阻害しない規制とするためには、どのような規制速度体系を敷けば良いでしょうか。

今回は、日本の規制速度体系の改善案について、大雑把に私案を提案します。

※「制限速度を守る事で安全となる」とは敢えて一言も書いていません。その理由はまた機会があれば書きます

 

運転者が「納得して守れる」速度規制の実現には、まず運転者がどのような思考で走行速度を決めているかを考慮する必要があります。

※「前車に付いていく」等自らの意思で走行速度を決められない場合や、「思い切り飛ばす」等といった危険運転についての言及は、今回は避けます

 

公道上で「一定程度安全に」運転し、「常識的な」動きをしている車両について考えてみましょう。

運転者は、どのような場面においてどの程度の速度で走っているのでしょうか。

本当は精密な研究が必要な場面かもしれませんが、私が約15年の間、全国で道路を走る車を複数の立場()から観察して感じた事が以下の点です。

※歩行者、ママチャリ、スポーツ自転車、軽自動車、普通車(約30車種)、路線バス(乗客)

 

★走行上の障害(渋滞、悪線形、悪天候、歩行者等)が何もない場合、道幅 & 幹線度 & 沿道状況が同じような道路では、平均的な走行速度が似ている

道幅 or 幹線度 or 沿道状況のいずれか1つではなく、各組み合わせごとに85%タイル走行速度()が決まっている様に感じました。例えば…

※ある道路において、全運転者の遅い方から数えて85%目の人が妥当だと感じる走行速度。常識的な運転をする車の走行速度は、概ね「85%タイル速度」以内に収まると言われている

・道幅:4車線以上、幹線度:国道や主要な県道、沿道状況:都市郊外の住宅街・・70km/h

・道幅:4車線以上、幹線度:国道や主要な県道、沿道状況:都市の中心部・・・・60km/h

・道幅:4車線以上、幹線度:県道や主要な市道、沿道状況:都市の中心部・・・・50km/h

・道幅:4車線以上、幹線度:都市圏間の主要国道、沿道状況:郊外・・・・・・・80km/h

・道幅:4車線以上、幹線度:都市圏間の主要国道、沿道状況:郊外(立体交差)・・90~100km/h

・道幅:2車線  、幹線度:国道や主要な県道、沿道状況:山間部(良線形)・・70km/h

・道幅:2車線  、幹線度:県道や主要な市道、沿道状況:都市郊外の住宅街・・50km/h

・道幅:狭い2車線、幹線度:県道や主要な市道、沿道状況:都市郊外の住宅街・・40km/h

・道幅:狭い2車線、幹線度:県道や主要な市道、沿道状況:歩行者の多い駅前・・30km/h

・道幅:1.5車線、幹線度:県道や主要な市道、沿道状況:郊外の集落・・・・・40km/h

・道幅:1車線  、幹線度:抜け道程度の市道、沿道状況:都市郊外の住宅街・・30km/h

・道幅:1車線  、幹線度:抜け道程度の市道、沿道状況:住宅密集地・・・・・20km/h

・道幅:1車線  、幹線度:完全なる路地  、沿道状況:歩行者の多い駅前・・10km/h

(補足1)交通量が多い場合、遅めの車両に全体の走行速度が左右されるため、道幅&幹線度&沿道状況の組合せによって上限速度がほぼ決まる(上に挙げた速度より低い場合が多く、また制限速度の判断に用いづらい)

(補足2)大勢の歩行者が自動車と共存している道路、又は車の前に歩行者が飛び出すリスクが高いと判断された道路では、車は速度を落とす傾向にある(生活道路の速度はドライバーの判断に左右される)

(補足3)逆に、沿道から歩行者が出てくる可能性の小さい道路では、車は速度を上げる傾向にある(沿道が大規模施設の塀や鉄道の敷地内、山の斜面など)

(補足4)長距離の移動を担う道路では、同じような幅の道路でも走行速度が高くなる(都市間を結ぶ山越えの道、北海道の国道、首都圏と中京圏を結ぶ国道1号のバイパスなど)

(補足5)都市内の高規格道路より、郊外の低規格道路の方が走行速度が高い場合がある(世界的に普遍な現象)

(補足6)同じような沿道状況&幹線度&道幅の道路ならば、制限速度に拘わらず、大体の車の走行速度は一定になる(取り締まりに影響されやすい道や地域差もあるが)

(補足7)急勾配の坂道が長距離続く場合、上り側の車両の平均速度は下り側と比較して遅くなる(他に減速要素が無い場合)

 

従って、制限速度を決める際も

①道幅 & 幹線度 & 沿道状況の組み合わせに応じた基本速度を定め、次に

場所によって異なる減速要素(横断歩行者、線形、勾配、交通量、信号、事故の多い道路形状など)に応じて、基本速度から下げた速度(状況別速度)を最終的な規制として設定する

また、時間帯に応じて安全性が著しく変化する道路では、時間帯別の規制速度を設定する

と、実情に応じた制限速度体系に近付けやすいと思いました。

 

実際の制限速度は、実勢速度だけでなく歩行者の安全性なども考慮する必要がありますが、これは減速要素を以下の2種に分ける事で分かり易く整理できます。

自動車の走行そのものに起因する減速要素(線形、勾配、交通量、信号密度など)

周辺環境に起因する減速要素(横断歩行者、住宅専用地区、学校、病院、商業施設、路駐需要など)

ゾーン20、ゾーン30といった面的規制も㋑に当てはまります。

幹線道路(補助幹線道路除く)をも巻き込んだ面的規制は、速度規制の実効性や信頼性を損なう場合が多いため、慎重になるべきでしょう

まとめ:規制速度決定フロー

①沿道状況・幹線度・道幅の3つを基に、基本速度を設定する

②自動車の走行や周辺環境に起因する個別の減速要素を基に、状況別速度を設定する

③状況に応じて、時間帯別の規制速度を設定する

以上が、私が考える規制速度体系の基礎であり原点です。

それでは、基本速度や状況別速度、時間帯別速度の具体的な設定方法はどのようなものでしょうか。

 

【①基本速度】

沿道状況・幹線度・道幅の3つの指標を示しました。各指標を細かく分けるとキリが無いですが、細かい分類は状況別速度に任せるとしてざっくり分類します。

私は以下の分け方が丁度良いと思います。※4車線=片側2車線、2車線=片側1車線

但し、沿道状況「市街地」、幹線度「主要幹線道路」については、速度規制分類の必要性が感じられない場合は今後削除する事もあり得ます。また、「高規格バイパス」の分類は状況別速度に任せるかも知れません

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沿道状況・幹線度・道幅の分類

幹線道路では大まかな実勢速度を基に、区画道路では沿道への影響も考えながら、各組み合わせごとに基本速度を設定します。

道路状況によって、一般道や「高速自動車国道でない自動車専用道路」にも10km/h~100km/hの規制速度が存在して良いと考えます。

沿道状況が8段階、幹線度が6段階、道幅が8段階(高速道路は別)あるため、単純計算で8×6×8=384通りの基本速度が存在する事になります。

しかし、これには実際にはあり得ない組み合わせも含まれるため、基本速度の分類はこれより少なくなります。

 

【②状況別速度】

基本速度をそのまま適用すると危険性が著しく増大する、沿道環境が著しく悪くなる、利便性が著しく低下するなどといった道路に対して、名前通り状況に応じた制限速度を設定します。減速要因は、

㋐自動車の都合によるもの

 (勾配や線形など走行性能の限界に起因する制約・交通量増大や信号などによる速度の制約)
 (運転手個人の意思でこれ以上の速度を出すのが困難)

㋑沿道環境に配慮するもの

 (学校や病院、交差点前での減速・環境規制・ゾーン30・加速度規制など)
 (運転手個人の意思で容易にこれ以上の速度を出せる)

の2種類に大別できます。

後者は前者より容易に制限速度を破れる状況なだけに、速度をコントロールする難易度が高いです。

従って、単に規制速度を設定するだけでなく、減速デバイス・歩車混在構造・啓蒙活動等を併用することで速度抑制の効果が表れやすくなるでしょう。

また、後者のような道路では、規制の最終目的は歩行者&自転車の安全性確保や歩きやすい道の実現、騒音低減等による沿道住民のQOL上昇にあるため、交差点の形状・見通しを改良したり道路のデザインを工夫するなど、速度規制以外のアプローチも同時に行うべきでしょう

例外として、市街地のバイパス道路で信号区間から無信号区間へ変わる場合など、車両の騒音や排気ガスを削減したい道路では、制限速度の引き上げ地点を敢えて遅らせる事で事実上の加速度規制とする事も可能です

また、区画道路や補助幹線道路では、既存の制限速度をそのまま適用できる(むしろ速度引き下げ?)道路が多いです。

 

また、主に前者に当てはまる話ですが、日本では道路の制限速度に設計速度をそのまま採用する間違いが本当に多く見られます。

一般に、設計速度は

・決められた区間の中で、最も条件が悪い(最急勾配、最悪線形)地点において

・条件の不利な大型車等も含め、全ての車が限りなく安全に走行できる速度

を基に決められます。

一方、制限速度は

・状況に応じて柔軟に設定された区間において(線形の良い区間と悪い区間を区別する)

・遅い方から85%目の車両が妥当だと感じる速度(※)

※通常走行において、運転者が危険を感じない程度の速度で走行できる速度

を基に決められるべき速度ですから、殆どの区間では本質的に制限速度が設計速度より高い速度となるはずです。※前述の最急勾配・最悪線形地点の前後を除く

 

具体的な基準について全て述べるとそれだけで本が1冊書けそうなボリュームになるため、本記事では割愛します。(そもそも、これらの基準が全て固まっていない状態ですからね)

 

【③時間帯別速度】

主に

・昼間は交通量が多いが、夜間は交通量が少なく快適に走れる幹線道路

・平常時の安全性は他と同じだが、登下校・通勤の時間帯は一時的に横断歩行者が多くなるため速度を抑制したい学校前/ビジネス街の地区幹線道路/補助幹線道路

などへの適用を想定しています。

日本では、大阪市の国道25号や京都市国道1号徳島市の国道11号・55号などで導入済みです。

大阪と徳島の例では両時間帯の速度規制標識を併設していますが、京都の例では可変標識のみ設置し、表示を単純化しています。少し意味合いが異なりますが、東北では積雪のある冬場のみ制限速度が下がる道路があるそうです

日本での導入例は前者が多いですが、後者のように適用パターンをもう少し増やした上で全国に普及させると、不合理な速度規制を減らせると思います。

標識をどう単純化させ、見やすいものにするかが課題ですね

 

本記事は以上です。

本当は、細かい基準まで本記事に書きたかったのですが、その前段階で予想より長くなってしまったため、一旦ここで完結です。

本記事を執筆する段階で、自分の脳内で散らばっていた新速度規制案に関する意見が体系化された気がします

 

次に規制速度体系に関する記事を書くとしたら、具体的な速度規制の基準や数値まで示したいと思います。それでは!

RedSignal動画用の素材を作ってみた

この企画は酷ラリさんのリスペクト企画です。本家RedSignal50の詳細は以下に書かれています。

RedSignal50とは (レッドシグナルゴジュウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 

 

さて、当ブログの中の人は、来年1月に某カーシェアで関西方面へRedSignal企画をしようと企んでいます。

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出発地点は横浜駅 or 横浜町田ICで、岡山まで300信号ほど。有料の高速道路は避け、信号の少ないルート(一部裏道)を選んで走ります。Stop数は本家と同じく50回が妥当でしょうか?

 

そこで、少し気が早い気もしますがRedSignal動画用の素材を作ってみました。

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実際の車載動画に当てはめると以下のような感じになります。

少しゲーム動画っぽくなりましたね。

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明らかに34れんさもしそうな道路状況じゃない件

使用フォント:Orbitron、7barSP、ほのかアンティーク角("れんさ"の部分)

 

来年1月まで企画を持ち越す理由は、単純に往復3日間という休みを確保できなかったためですが、今からワクワクしています。早くRedSignal企画やりたいですねー

あれ、9月に九州ドライブ、10月に3週連続で長距離ドライブに行ったばかりでは?

(完)

補助幹線道路はどんな道?定義と私見

補助幹線道路のイメージが妙に掴みづらい件。

 

そこで、補助幹線道路にはどのような定義があるのか、国交省の文献にある記述をまとめてみました。

 

【文献1】首都国道事務所 用語辞典

幹線道路と区画道路とを連絡し、これらの道路の交通を集散させる機能をもつ道路で、住宅地では近隣住区内に目的をもつ人々が、日常生活に利用する道路のうち、幹線的な道路をいう。

https://www.ktr.mlit.go.jp/syuto/jiten/

 

【文献2】国土交通省 道路の標準幅員に関する基準(案)について

地方部にあっては、主として地方生活圏内の一次生活圏の骨格となるとともに幹線道
路を補完し、一次生活圏相互を連絡する道路をいう。
都市部にあっては近隣住区内の幹線となる道路をいう。

https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/069/79000096/79000096.html

 

因みに、ここで言う生活圏には3種類あり、

①地方生活圏……ある程度の大きさをもった都市を中心として、いくつかの二次生活圏から構成される地域をいう。
②二次生活圏……大きな買物ができる商店街、専門医をもつ病院、高等学校などかなり広範囲の利用圏をもつ都市を中心に一次生活圏をいくつかその中に含む地域をいう。
③一次生活圏……役場、診療所、中学校などの基礎的な公共施設が集まっていて、それらのサービスが及ぶ地域をいう。

 

とありますから、一次生活圏は最も小さい生活圏の単位であると言えます。

 

しかし、文献2が作られた当時(昭和50年)には、既に高校の数が役場の数を上回っているなど、例示されている施設の選定基準は謎です。

 

ここで、全国の市町村数、小学校数、中学校数、高校数、有床診療所数の推移を見てみましょう。

昭和の大合併前(1950年)、文献2の作成年度(1975年)、そして現在の数(概数)をまとめました。

  市町村数 小学校数 中学校数 高校数 有床診療所数
1950年 約10000 約26000 約14000 約4500 不明
1975年 約3300 約25000 約11000 約5000 約30000
現在 1747 約19000 約10000 約5000 約7000

赤字:一次生活圏青字:二次生活圏に当てはまるもの

【参考】

市町村:全国の市区町村数の推移(市区町村変遷情報)

小学校:【2020年最新版】小学校に関する統計まとめ(学校数・教員数・職員数の推移)

中学校:【2020年最新版】中学校に関する統計まとめ(学校数・教員数・職員数の推移)

高校:【2020年最新版】高校に関する統計まとめ(高校の数・教員数・職員数の推移)

有床診療所:厚生労働省:結果の概要 2020.8.28 日本の医療施設数はどのくらい? | シニアライフ総研

 

これらを総合すると、現在の基準では、一次生活圏は全国に10000程度ある中学校か、20000程度ある小学校の学区程度のものであると想像した方が良さそうです。

また、二次生活圏は平成の大合併の市区町村や政令区を基準にすると分かり易いかも知れません。知らんけど。

 

そうすると、一次生活圏の骨格を成し、複数の一次生活圏を連絡する補助幹線道路は、概ね以下のような道路だろうと思われます。(写真はいずれも市道 or 区道)

Google ストリートビュー①

Google ストリートビュー②

Google ストリートビュー③

Google ストリートビュー④

Google ストリートビュー⑤

Google ストリートビュー⑥

Google ストリートビュー⑦

Google ストリートビュー⑧

上記の道路の選定基準は、定義を参考にしつつ

・概ね2車線だが、あまり広くない

・住宅街における主要道路

・あまり広域でない移動に用いるローカルな幹線道路

・生活道路チックだがそれなりの交通需要がある

道路としました。(ここの曖昧さを詰めていけるかが今後の課題になりそうです)

 

また、以下のような道路は補助幹線道路の一つ上のランク(私は幹線道路を2つのランクに分ける案を提案するため、幹線道路の2つのランクのうち下の方)であると考えています。(幹線市道 or ローカルな都道府県道)

Google ストリートビュー⑨

Google ストリートビュー⑩

Google ストリートビュー⑪

上記の道路の選定基準は、

・概ね2車線で、幅員に余裕がある

・市内レベルの移動に用いる幹線道路

・4車線道路でも2車線分の交通需要しかない

・県内レベルor全国レベルの移動需要を捌く主要な県道や国道ではない

としました。(ここも曖昧ですね…)

 

今後の記事では、補助幹線道路を当記事のようなイメージで捉えつつ、道路の段階構成について少しずつ語りたいと思います。

(完)

川崎市麻生区岡上の、勾配42%「十番坂」

2020/07/02 撮影、2020/10/29 公開

川崎市麻生区岡上は、横浜市と町田市に囲まれた飛び地であり、川崎市の端っこと言っても差し支えの無い所に位置する。

 

岡上の中にも複数の地区があるが、その中でも西地区は急坂の宝庫で、町内会の地図に壱番から十番までの番号が付けられた坂が存在する。

 

いずれも地区東側の尾根へ向かう坂で、五番坂、八番坂、九番坂の後半、そして十番坂と30%を超える急坂が目白押しだ。(因みに三番坂は階段坂、四番坂は欠番である)

 

今回紹介する坂は、そんな急坂の中でも最も急(階段を除く)十番坂である。

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岡上西地区の壱番坂~十番坂(四番は欠番)

十番坂の入口にやって来た。

入口は大した勾配ではない(それでも7°=12%ある)が、途中で右に折れており、坂の後半が見えないようになっている。 

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 このカーブを曲がった先の勾配が、凄かった…。

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この手の看板は多いが、ココはガチの急坂である

それではご覧頂こう。

 

どどーん!!

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写真だと勾配が伝わりにくい法則

察しの良い方には、家屋のコンクリ塀と路面が交差する角度を見て、その異常な勾配を理解して頂けるかもしれない。

これが、私がこれまで目にしたあらゆる激坂の中で、最も急な坂である。

その勾配、なんと23° = 42.4%

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角度計は、直線坂では最強となる数値を叩き出していた

因みに、日本一急な国道の坂として恐れられている国道308号線暗峠の最急勾配は37%と言うから、それをも上回る勾配なのである。

(カーブの内側は48%らしいが、カーブ内側の勾配は別枠でランキングすべきなのに加え、当ブログではカーブの内側で80%を超える坂を紹介済み)

 

車で登ろうとすると、こんな感じの視界に。冗談でなく車が後ろにズリ落ちたり、ひっくり返りそうな感覚になる。

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青空が綺麗だ(白目) 

 

上から見下ろすと、意外な見晴らしの良さに爽快感と迫力を覚える。

 

雪の日にソリでこの坂を下ったら、正面の家に激突する事請け合いだろう。なんせその家の屋根より高いから下っていくのだから。

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自転車で登った時の動画はこちら。(当時は46%としていましたが、ちゃんとした測定器具を使用した上で42%に訂正します)

 

なお、未だにこの坂を超える勾配の車道坂(普通車が通れる幅の坂)に関しては、ネット上にも全く情報が見当たらない。

そこで、暫定ではあるが、当ブログではこの坂を全国一急な車道坂と認定する事とする。

 

最後に、この坂を訪問する時の注意点として、

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最徐行で通行する(スピードを出すと冗談抜きで危険です)

ブレーキが貧弱な自転車では下らない(冗談抜きで〇ねます)

近隣の迷惑にならないように細心の注意を払う(周辺は閑静な住宅地です)

 

これだけは最低限守るべきと思われる。

 

以上、川崎市麻生区岡上にある「十番坂」の紹介でした。

【完】

 

台風一過ドライブ(厚木→宮ヶ瀬→相模湖→上野原→奥多摩→八王子) 第2回

第1回から続く>

 

気を取り直して、県道64号に復帰し宮ヶ瀬を目指す。

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県道514号 愛川方面 通行止め

土山峠に差し掛かると、急に土砂が増えてきた。

 

やまびこ大橋から半原へ向かう県道514号は高規格な2車線(片側1車線)だが、土砂崩れで通行止め。一方、宮ヶ瀬湖を迂回する県道64号には通行止めの情報は無し。

青野原へ向かう国道413号は通れないという情報があったので、県道513号または宮ヶ瀬湖北岸林道国道412号へ出て、北上を続ける算段だった。

 

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路面状況が、明らかに悪化している。

 

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途中、1箇所だけ道路が川の様になっている地点が!

箱根ほどではないにしろ、宮ヶ瀬周辺も相当降水したのだろう。

 

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とは言え、特に労せずに土山峠へ到達し、ダム湖沿いの道へ。首尾よく北進中。

 

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宮ヶ瀬湖の水も、当然ながら茶色く濁っている。

 

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県道514号との交点に辿り着くと、信号が止まっている。

正面が通行止めなので、実質左カーブとなっている。信号は必要無いのでわざと消灯しているに違いない。

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No.

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宮ヶ瀬湖沿いの地域(宮ヶ瀬ダム下流を除く)は台風の影響で停電していたのである。

見慣れた道がこうした被害を受けているのは強く印象に残る。

 

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ヤビツ峠との分岐点もまた、消灯していた。

 

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ヤビツ峠方面は、入って数メートルで通行止め。

 

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灯りの無い信号機達。

 

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更に西進 & 北上すると、路面が一面水浸しに!

 

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大量に流出した土砂を地道に掻き出す作業中で、県道は何とか通れるようになっていた。関係者には頭の下がる思いです。

 

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その後は特に何も無く、平常運転で鳥居原湖畔庭園へ。

 

が、ここで一つ問題が!

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本命だった北岸林道が通行止め!

普段はまず閉じる事のないゲートだが、今回ばかりは土砂崩れでやられてしまったようだ。

 

戻るのに躊躇し、急遽左に伸びる市道へ。

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谷へ下ると、下を流れる川が氾濫したのだろう、住民が総出で土砂の撤去に当たっていた。失礼します…

 

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水位は下がっていたものの、依然として流れは速く、水も濁っていた。

 

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市道から県道64号に出たが、谷沿いを走る県道も、信じられない程土に覆われていた。

昨晩には川と化していたのだろうか。

 

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左へ入る脇道は封鎖されていた。やはり国道413号への通り抜けは絶望的だろうか。しかし、それに関しては想定済みだった。直進すれば国道412号へ抜けられるだろう。

 

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が、直後に信じられない事態が発覚。

 

第3回へ