神奈川県道140号 鶴見川右岸の"自転車道"にしか見えない2車線道路(本編)
※(導入編)の続きですので、導入編を読まれていない方は先にそちらをご一読ください。
2車線道路とは思えぬ狭さ
中央線(センターライン)が消えた状態で東急東横線のガードを潜った140号は、そのままの状態で鶴見川の堤防上へ。
そして、堤防上で中央線が復活するのだが…、
正直に言わせて頂こう。
この道は、私たち通行者に全く余裕という概念を感じさせない。
手前の1.5車線道路に毛が生えた程度の幅で、立派な道路の証(?)である中央線を与えられたのだ。
手間の掛かる堤防拡張を行わなければ、右にも左にも拡幅できない堤防上という立地にあって、道は為す術なく冴えない2車線道路の立場に甘んじていた。
逆に、この程度の幅で無理やり2車線化しているため、自らに課せられた多大な交通量を何とか捌き切ろうという意思さえ感じられる。道路の格は違うが、車線幅が狭いのに無理やり片側3車線を確保している東京の環状8号(環八)と同じような必死さが伝わってくると思う。
実際、この道幅からは信じられない程多くの乗用車、トラック(但し中型まで)が当区間をひっきりなしに行き交っていた。
それが、この道にとっての日常なのだ。
そして、遂に最"狭"区間へ…
次の写真は、堤防上の2車線区間が始まってから、およそ650m進んだ地点で前方を向いた写真である。
堤防上の区間が始まり、写真の地点に至るまで、県道は狭いながらも一定の幅を保っていた。
この先はと言うと、写真奥に見えるカーブでセンターラインが途切れ、ガード下と同じ1.5車線道路に戻る。反対に、カーブの手前は2車線だ。
だが、この写真から何か違和感を感じないだろうか。
写真を見て気づいたアナタは鋭い。
写真を拡大してみよう。
車道外側線が、黄線の部分で明らかにカクッと右に寄っているのが見えるだろうか。
ここに来て、県道はただでさえ狭い車線幅を更に絞るという暴挙に打って出たのだ。
その結果。
いや、写真奥に見える車が仮に居なかったとしよう。果たして、誰がここを車の通る道だと思うだろうか。いや誰も思わない。ここに、『県道140号=サイクリングロード説』が立証である。だから違うって
…気を取り直して、この道幅を通行車と比べてみたい。
最早自転車道にしか見えない最"狭"区間の幅とは
当区間の代表的な通行車として、軽トラにご登場頂いた。
タイヤ付近だけを見ると、タイヤが中央線をはみ出している幅より路肩側の余白の方がギリギリ広い。よって、一応軽トラのホイールベースよりは広い事になる。
しかし、これはあくまでホイールベースでの話である。車体はもう少し幅広で、かつサイドミラーの幅を含めると、軽トラですら車線幅を余裕で超えてしまっている事は明白であろう。
そもそも、軽トラが中央線をはみ出さないと路肩側に十分な余白が確保できない時点で相当アレなのだが、ここでは触れないでおこう。
次に、ロードペイント(路面標示)と比べてみる。
実は、路面標示の幅や長さ、ラインの太さなどの規格は全国的に統一されているのだ。一部の県では例外もあるが
上の画像の中央に写っている「30」のロードペイントは、幅が1.2m、ライン(オレンジ線)の太さは15cmで描かれている。ここからおおよその車線幅を推定すると、
車線幅= 120cm+(左右の余白約25cm)×2 =170cm
実に、一般的な高速道路の車線幅(3.5m)の約半分の幅しか無いのだから驚きだ。また、
路肩を除く全幅= 170cm×2 + 20cm(路肩線)×2 +15cm(中央線) =395cm
これに路肩を含めても、全幅は最も狭い地点で4.3mに満たないだろう。
この程度の幅で2車線なのだから、改めて驚く。
因みに、自転車道の幅は、中央線の無い路線ですら3.0m幅はある。※大規模自転車道
多摩川CRや江戸川CR、更に鶴見川左岸のCRこちらはサイクリングロードには、余裕で4.5m幅を超える区間さえ存在する。
この記事を以て、当区間を神奈川県で屈指の激狭2車線道路として(勝手に)認定しよう。
【オマケ】
2車線最狭区間の先、センターラインが無くなった堤防下の県道を見てみると…
この幅でセンターラインが無いことに対する違和感は無い。但し、こちらも4m幅は超えていそうな雰囲気だ。
いかに、先の区間において中央線が無理やり引かれていたのかが窺える。
実は、全国にはこの道より狭い2車線道路も存在するのだが…
【完】