相模原市緑区葉山島の行き止まり高側道(最終回)

2019/06/30 実写、07/14 公開

※(第1回第8回)の続きですので、以前の記事を読まれていない方は先にそちらをご一読ください。

 

第8回の最後の地点から車デポ地点である転回広場まで戻り、そこから伸びる2本の階段を調査する。

 

これまでに探索した側道と、今回探索する2本の階段の位置関係は以下の様な感じだ。

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左上の紫線と赤茶色の線

まずは、車デポ地点から北方向に伸びる階段(赤茶色)から。

圏央道と側道の間を行く、下りの階段である。

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階段の入口に立つ。一見、雑草が無く綺麗に見える。

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が…、

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少し下るとこの有様。それでも、一連の階段の中では最初に取り上げた階段に次いで綺麗であろう。それもその筈、この階段は一連の階段の中では唯一、行先がハッキリしているのである。

 

なんて事はない。

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階段の出口

この階段は、並走する急勾配の側道に沿って設けられていたのである。改めて、すぐ横の側道の急勾配ぶりを感じる。

それにしても、この写真じゃ探索方向がバレそうだな…(笑)

 

しかし、この階段も看過できない要素を持っていた。

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お前もか…

この階段も、途中で勾配が変化した変わり種だったのである。小粒で横に迂回路もある階段だが、意外と侮れなかった。

 

次に、転回広場から西へ伸びる紫色の階段。こちらの行先は、全く不明である。

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いきなり、長い階段がお出迎え

この階段、直前に急勾配の坂・階段を幾度も上った自分には少し大変だった。

途中で2度の踊り場を挟み、なおも登っていくのだ。

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迫り来る夏草

そして、決定的な場面が。

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ストレートの先に…

倒木!!

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もう少し近づいてみよう。

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自然災害による倒木か

ここまでの大木が道路上に倒れて放置されている姿を、私は生で見た事が無かった。

人が通れるスペースは激狭だが、一応先へ進めそうだ。

 

おっと。

 

突然だが、ここで電話のようだ。

 

…。

 

告げられた言葉は、即ち探索の強制終了を意味するものであった。

 

「今すぐに戻って来い!」

 

声の主は、車で待機中の父。圏央道を潜る急勾配の坂で転んでしまい、早く手を洗いたいとの事。正直、先へ進みたかったのに…

 

致し方ない。キリも良いので、ここで車へ戻ることにしたい。

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振り返ると、そこには圏央道の絶景高側道が

 

つまり、残念ながらこの先は未探索である。もう一度踊り場を挟んで先へ続いているのか、このストレートを上った地点で階段は終了なのかの判別も難しかった。航空写真でも有意な情報は得られなかった

 

実は、この他にも1つ未探索の階段があるので、この先は次回訪問時に一緒にやっつけてしまおうと考えている。

 

 

さて、この後、車に乗り込んだ私はそのまま相模川右岸道路へ戻り、北上して小倉橋の近くにある7-11で休憩した。その後、近くの高側道をもう1か所探索したので、いずれ記事に上げたいと思う。雨でも十分映える絶景でした

 

【現地探索以上】

"謎解き"を試みる

それでは、前回の最後に湧いて出た5つの疑問。簡易的に解明を試みたいと思ったが、答えがほぼ出せずに終わった。但し、個人的な見解が多分に含まれるので注意

 

まず、①何故、何処にも繋がらないのにわざわざ高速から離れる道が造られたのかについて。

 

正確な答えは出せないが、階段を下り切った地点から少し上った地点で細い獣道が分岐していた。

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ガードレールに意図的に開けられたと思われる隙間

恐らく、この道が関係しているのだろう。次回訪問時に行きたい道の一つ

 

次に、

②何故、行き止まりまで下ったのに更に下る道が無いのか

③何故、行き止まりへ向かうルートが2通り出来たのか

についてだが、現時点で納得できる答えには至らずにいる。側道の工事資料など、図書館かネット上で見られないだろうか…。

 

更に、

④何故、最初の幅員減少地点から2つ目の幅員減少地点(転回場)までは比較的規格の高い舗装道路として整備されたのか

最初の幅員減少地点に転回場を設けても良かったと思う。但し、転回広場は圏央道本線と同じ高さであるから、本線の工事用に使用されていたと考えると合点がいく。

 

最後に、

⑤そもそも、何故まるで道路構造令に準拠していない様な超急勾配・急カーブ・緩和曲線無視の道路が造られたのか

について。これは、恐らく費用対効果の関係だろうと考える。人が殆ど入らない場所にオーバースペックの側道を設けるのは費用の無駄と言われても仕方ないだろう。現状でも、②③の部分は予算削減と矛盾しているが

同様の高側道が数十年前から全国の高速で造られていた事を考えると、側道に関する建設基準が別途設けられている様な気もするが、どうだろうか。

参照:国土交通省出典、道路線形に関する基準(https://www.mlit.go.jp/road/sign/pdf/kouzourei_2-4.pdf) この中に、今回探索した側道に合致していると思われる規格は掲載されていない

 

しかし、内側の勾配が50%や100%を超える急坂は、少しやり過ぎではないかとも思えてくる。個人的には、発見すると楽しいので歓迎(笑)

 

結果、大御所サイト等の事後調査力に脱帽する結果となりましたとさ(苦笑)

 

めでたしめでたし? 

【完結】